葛西善蔵の酒
葛西善蔵の酒
雑誌「改造」が葛西善蔵に100枚位の中編を依頼したもののなかなか進まないので、信州別所温泉の大島屋という旅館に大正5年5月に一ヶ月滞在して書いてもらうことになったそうです。最初は飲まなかった葛西ですが、酒好き作家の万造寺斎が来たこともあってすぐに連夜の酒宴となり、莫大な借財をつくってしまったそうす。それでも、ようやくそこでできた作品が「不能者」だそうです。この稿料百数十円が送られてきたものの足りないので、葛西は次の原稿の前借りを依頼したそうです。そこで、春陽堂の「新小説」から借りた100円を久米正雄が救援使節として持ってきたそうですが、これも飛んで火にいる夏の虫で、たちまち一緒に飲み尽くしてしまったそうです。結局、久米が旅館の若主人を説得して、その保証で他の借金をひとまず待ってもらってようやく東京に帰ることができたそうです。宿賃が1ヶ月で3?40円の時代だそうです。
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